2023/09/21

フロントシングルバイクを作るには。

通勤用バイクとして整備したRS6とMK-Discは、どちらもFDを取り付けずにフロントシングルで組んでいます。通勤路が平坦基調なのでもともとフロントギアを変速する機会が少ないというのもありましたが、当初はRS6のFD台座が直付けではなくバンド式だったことが大きいです。それまで所有してきたロードバイクがすべてフロントダブルでしたが、バンド式FDが手元に無かったのと、バンドアダプターがシートチューブに傷をつけてしまう懸念を許容できなかったことから、広大なギアレシオのほうをあっさり切り捨てることにしました。
以前ほど自転車の整備に時間を割けなくなった点でも変速の調整が必要な部品が減るのはメリットでしたし、昨今では直付けのFD台座に取り付けるチェーンキャッチャーも市販されているので、タイミングによっては台座があってもフロントシングルに行き着いたかもしれません。

チェーンリングはナローワイドが鉄板になりますが、RS6ではGRXのクランクを導入しました。常用するギア比をカバーするためには40Tよりも42Tのほうが使い勝手が良さそうだったこともあり、RX600-1ではなく奮発してRX800-1をチョイス。
GRXクランクではチェーンラインがアウター寄りになるのが気になったのと、パワーメーターを使いたかったこともあり、MK-DiscではWolftoothのギア板に交換したFC-R7000を取り付けています。フロントダブルだと純正とサードパーティ製とではチェーンリングの変速性能の差が出ると言われてましたが、シングルでは一向に気になりません。クランクのデザイン上、チェーンリングボルトの部分に段差ができるのが見た目にマイナスでしたが、RIDEAのチェーンリングボルト(という名のナット)TQSH-70を使用することで、だいぶ値が張るものの純正チェーンリング相当の外観となり満足してます。Wolftoothなら楕円ギアも含めて選択肢が豊富ですし、GRXにこだわる理由はあまりなさそうです。

グラベルバイクの普及と重なって、油圧ディスクブレーキであれば自由度が高く、GRX (Shimano)、Ekar (Campagnolo)といったグラベル向けコンポを筆頭に、SramはRed、Force、Rival、Apexのいずれのグレードにも1x用のパーツがラインナップされています。今のところ採用する予定はないものの、シフト操作のない右レバーでドロッパーポストの操作ができるようになっているのには隔世の感があります。
MK-Discは当初Force22+HY/RD (TRP)という機械式ディスクの組み合わせで組みましたが、キャリパーが大きかったことや油圧ディスクへの興味を捨てきれず、GRX RX600に組み替えています。

一方で、機械式ディスク/リムブレーキで組もうとすると途端に選択肢が減ってしまい、シングル用コンポが用意されているのはSramくらいで、フロント変速用のレバーを遊ばせておくか、左レバーのみサードパーティ製のブレーキレバーを採用することになりそうです。Di2だと各スイッチに割り当てられる機能を変更できるので、FDを接続せずに運用できるのであれば、レバーからフロント変速の機能を省けばシングル用に使えると思うのですが、E-Tube対応のコンポを触っていないので如何せんこの辺りは未知数です。
RS6では、10s CentaurのErgopowerをベースに、フロント用は変速ユニットを取り外してブレーキレバーだけにしたものを、リア用は11s変速ユニットに取り換えてEquall Pulleyを取り付けたものを採用しましたが、RD-R7000との相性が悪く変速性能がいまいちだったため、MK-Discの組み替えの際にForce22にForce1用ブレーキレバーを組み合わせた運用に切り替えました。

すっかり12sコンポへの移行が進んでしまっており、特に上位モデルの11sコンポの入手性が悪くなってきていますが、たまたまもう1台だけFD台座のないロードバイクのフレームが手元にありましたので、いずれ組む時のためにパーツだけ手配を進めています。最後のリムブレーキフレームになるかと思いますが、ぼちぼち組んでいきたいなと。シフトワイヤーがなければ、見た目もクリーンに仕上がるのではないかと期待しています。