2010/01/24

ロードバイクインプレッション2010 (枻出版社)

今回は年をまたいでの刊行となりましたが、ついつい購入してしまいました。昨日、クシさんとこにお邪魔した際に他の雑誌と合わせて目を通してはいたのですが、半ば習慣というか、お布施みたいなもんです。

ゲストレビュアーとして、鶴見辰吾氏が参加してたのが意外でした。ツール・ド・沖縄の市民200kmを完走されるほどの脚の持ち主なのですが、フレームの乗り味を食べ物に例えて表現されるのは(苦肉の策でしょうけど)新鮮。レギュラーの今中大介氏と山本健一氏によるレビューは、ただでさえ適正サイズでないと思われるバイクが多い上に、そもそも体格が違いすぎるので同じ試乗車で試走を行うのはいい加減に無理じゃなかろうかと毎年のように思ってます。走行風景を撮られた写真は常にダンシング一辺倒だし、5段階式の評価チャートも(改善されないのであれば)もはや必要ないような……。あとは写真とテキストが一致してないのは校正の段階でチェックしておいて欲しかったです。

ただ、BBシェルやステー周りといった、メーカーのカタログでは見れない部分をアップで撮られてる写真は有用だと思うので、車体を真横から撮った写真をもうちょっと小さくして、そういったものを増やしてもらえると嬉しいかも。あとは、フレームのジオメトリやアセンブルされたパーツも掲載してあるといいのに。

Dogma60.1 (Pinarello)に代表されるようなアシンメトリカルデザインも今後のトレンドになりそうですが、個人的にはBB周りの規格が気になるところです。BB30対応フレームは増えてきた一方で、肝心のクランクはSram、FSA、Specialized、Stronglight、Zipp、Cannondaleといったサードパーティ製ばかり。ShimanoやCampagnoloのクランクを使うにはアダプターを挿入して従来と同じBBユニットを利用することになるのですが,これではメリットを生かせません。そもそもBB30ではシェル幅が68mmのままなので、従来のコンポーネントとの互換性や剛性アップを期待するのであれば、シェル幅を広げ,ベアリングを圧入するBB86やBB90の方が理に適ってるように思います。将来的にどうなるか判りませんが、GiantやFuji、Trekのがクランクの選択肢も多くて良さそう。
また、「剛性の高さ=フレームの評価」という風潮に関しては変換期を迎えてると思うので、レビュアーの感性や評価基準にもよるとは思いますが、メーカーの設計理念やフレームの特性に合わせた評価がされてもいいんじゃなかろうかと、GDRの評価を見て思った次第。そもそも短距離・短期間でバイクの評価を決定すること自体が難しいのだから、お二人の感想文だけでなく、いいバイクに乗ってるホビーレーサーによるインプレをコラムとして掲載してもおもしろそうですけど。また、Cycle Sports、Bicycle Club、Funrideの各誌で試乗インプレ記事を担当してるライターによる座談会は良かったと思います。もっとページを割いて突っ込んだ話がされるとおもしろかったのに。

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