よもや熊本で放映されると思ってなかったマイナー作品でしたが、Denkikanにて一週間限定で上映されるということで、仕事もほどほどに切り上げて観に行ってきました。月曜日だとメンズデーで1,100円に割引されるの知らなかったので、直前に前売券を購入しました。残念ながらポストカード配布には間に合わず。
マルコ・パンターニの一生を題材としたドキュメンタリーなので、淡々とした展開に。ダブルツールを達成した山岳スペシャリストとしてロードレース界でいかに大きな存在であったかというのは、当時の映像に残る熱狂的なファンの様子からも伝わってきますし、同世代や現在の選手へのインタビューからも計り知ることができます。勝負のかかった山岳ステージで、下ハンを握った低く攻撃的なフォームで鋭いアタックを繰り返すさまは印象的でした。ヘマトクリット値の高さを理由に99年のジロ・デ・イタリアから除外され、レーサーとしての活躍を取り戻せないままに最期を迎えてしまうのも、俳優による再現も織り交ぜてよく構成されていたと思います。
最近ではランス・アームストロングとの確執ばかりがピックアップされる側面もありますが、当たり前のようにドーピングが蔓延していた背景にももっと切り込んで欲しかったなというのが正直なところです。2013年の血液の再調査でEPOが検出されたことは終盤にサラッと出てくるものの、2000年以降はマスコミによるパッシングが激化したという話もありますし、死因がコカインのオーバードーズではなく殺人の疑いがあるという点にも触れられずじまいでした。
近年でこそ陸上競技における組織的なドーピングが取り沙汰されてますが、自転車ロードレースとドーピングの問題は根深く、こういった作品で過去の問題を表面化することで、よりクリーンな環境になっていくことを望んでやみません。
作中、パンターニが活躍することでメルカトーネ・ウノの売上が3割も増えたよ、と評されている場面がなんともダークでした。
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