クシさんとこに試乗車としてMeteor speed、Meteor launch (Graphite Design)が届いており、今週末は試乗会が予定されてるのですが、天気予報ではあいにくの雨とのこと。で、金曜日は晴れるという予報と「月末=週末」という個人的な勘違いから、本日は最後の最後に夏休を取得してしまったのですが、奥さんのご好意により試乗させていただけることになりました。奥様にはお昼から何かとお世話になり、頭が上がりません。このお礼はいつか必ず。(婚約以外であれば)何でもやる所存です。
時間があればちょっと遠出するつもりでいましたが、直前になって雨に降られてしまったので金峰山にてMeteor speed (size:53)の試乗。本妙寺~山頂~峠の茶屋~芳野と普段から走ってるルートですが、大将陣までで止めようと思っていたのに、上りが楽しくてついつい上まで走ってしまいました。
高剛性化が進む海外製フレームに対し、「しなるフレーム」を体現したMeteorシリーズですが、ラグドフレームとなるspeedは芯を残した剛性感となってます。クリートをステップインする瞬間にBB部がグッと内側に入り込むのを見て少しばかり心許ない気分になりましたが、実際のペダリングでは目に見えて変形することもありません。
いちばん掴みやすいのはシッティングでの上りで、ギア比をいくつか変えて試してみたりもしたのですが、ちょっと脚にかかるくらいだとススッと上っていきます。雑誌などだとペダリングでは円運動を意識するように書かれますが、Meteor speedでは楕円運動でリズム良く回したほうがよく走る印象。良し悪しは別として、雑なペダリングでもそれなりに進んでくれる点では優等生っぽいです。ただ、バネ感とは少し違った印象で、下死点まで踏み切るようなダンシングだと跳ね返りがなくて物足りない感じに。たしかに脚を残せそうな優しさは垣間見えますが、現行フレームによくある加速感の良さは薄いし、このあたりは本家Timeのフレームに譲ります。おそらく設計時に想定されたケイデンスと出力があると思うのですが、そこから大きく外れた踏み方だと印象が大きく変わってくるようです。
Hercules (Carrera)やTCR Adcanced SL (Giant)のようなガッチガチのフレームだと踏み込んだ後にペダルがスっと入っていく感じですが、Meteor speedでは踏み込む直前にペダルが入るのサポートしてくれる感じ。ジオメトリもそうですが、筋肉の付き方も考慮した日本人向けのフレームと言えるかもしれません。難点を挙げるなら、垢抜けないカラーリングと日本人向け過ぎるジオメトリ。楽に乗るためではなく、サドルが高くなるユーザー向けにヘッド長がもうちょっとあるといいなぁと。トップ長540のヘッド長が130だと合うのに……。
ちなみにコンポは7970 Di2。電動デュラを触るのは初めてでしたが、これがまた素晴らしい出来! もはやレバーではなくスイッチとなったシフトレバーですが、ちょっと触れるだけでシフトミスもなく変速してくれます。また、7900では調整が面倒になってしまったフロントの変速も、モーターの駆動音と同時に変速されます。お伺いをたてるようにレバーを押し込んでた7900はなんなんだろう。少し不恰好に見えるジャンクションもSC-7900の登場で改善されますし、バッテリーやケーブルに関してはDi2専用設計フレームも増えてきてますし、性能面だけで言えば敵無しですね。信頼性でも悪評は聞きませんが、最大のネックは価格です……。贅沢を言わせてもらうなら、ボタン押しっぱなしで連続シフトできると良さそう。連続して操作すると取りこぼすことがあったので。それにしても、これは欲しくなっちゃうなぁ。
個人的に気になっていたComposit (Selle SMP)は、どうにも評価しにくいサドルでした。パッド無しの座面の硬さはConcor Light (Selle Sanmarco)と同じくらいですが、着座面積が思ってたよりも広くて、(形状からは想像しにくいけど)どこが痛くなるというのはありませんでした。ただ、ノーズの幅が広いため内股を擦ってしまう点と、中央溝の断面が鋭角なので骨盤を倒してしまうと荷重が集中する点が気になったところ。
先代は気に入られてたと記憶してますが、スイートスポットが狭すぎるのが評価の分かれ目になりそうです。試乗中にサドル後退量を増やしたところ、かなり良くなったものの、平地と上りと下りとでまったく同じポジションというのは些か辛いものがあるなぁ。